よくデザインされたツール

こんばんは、ミツヲです。

いろいろと不満の多かった協力隊時代でしたが、
一方で、ジオパークに関わる多くのことを吸収できた時期でもありました。
今携わっているジオパーク活動の土台を形づくっているのは、間違いなくこの2年間です。

ジオパークは他に類を見ない制度だと思います。
世界遺産もジオパークも同じユネスコの登録制度ですが、
ジオパークは世界遺産よりもよく考えてデザインされていると思います。
ジオパークが特に重視しているのが持続可能性です。
持続可能性をつくりだす3つの軸「教育」「保全」「ジオツーリズム(地域振興)」があり、
2軸を1軸が支えるような構造になっているので、
どれか1軸が欠ければ全体はバランスを崩してしまいます。
そして、ジオパーク同士がお互いの活動に貢献しつつネットワークを強くし、
「ジオパーク」というブランドを確固たるものにしていく。
そういうところにも持続可能性を追求する姿勢が見えます。

持続可能性と共に大切にされているのが「人」だと思います。
『ジオパークは人である』と言われるように、
ジオパークは「人」がいなければ成り立ちません。
その地域が「ジオパーク」になったその先、
どのような地域を目指そうとしているのか、明確なビジョンを持っている地域だけが
「ジオパーク」を名乗ることが許されます。
「ジオパーク」になることが目的の地域は「ジオパーク」を名乗ることが
できません。

「ジオパーク」を、柵で囲われた公園のようなものだと思う方も
いるでしょうが、実はそれだけでなく、「ジオパーク」は、
そのブランドを利用して地域をつくっていくツールだと
言い換えることができると思います。

かたちのあるデザイン・かたちのないデザイン