Ambition

原体験の森

Original experience

代表取締役
島貫 陽

代表取締役 島貫 陽

1980年代前半、私は埼玉県の新興住宅地に移り住みました。そこは丘陵を切り開いてつくられた場所で、大規模開発を免れた雑木林がモザイク状に点在していました。自宅から徒歩4分くらいのところにある0.5haの雑木林に、子どもだった私はよく遊びに行っていました。高さ20mくらいの小高い丘にコナラやクヌギといった広葉樹が生えていました。しかし十数年後には、残された雑木林も切り取るように開発され、ガソリンスタンドやショッピングセンターに変わっていきました。今はもう跡形もありませんが、その雑木林は私の原体験の場所になりました。

雑木林の明るい林内には落ち葉が薄く積もっていて、ふかふかの黒い土が広がっており、ところどころに直径10cmくらいの丸太が半分埋まった状態で並べられていました。樹の幹には所々掘り起こされた跡があり、近所の虫好きの子どもたちが残していったのかもしれません。地面の腐葉土を数センチ掘るとカブトムシらしき大粒の幼虫がゴロゴロと出てきたのを覚えています。その時の光景は私の記憶に鮮明に焼きついています。

小学校高学年くらいになると、自宅から13分くらいの、少し離れたところにある雑木林に行くことが増え、行動範囲が広がりました。そこは川沿いにあり、自宅近くの雑木林とは違って、ほうれん草畑や梨畑の隣にありました。かつては畑と深く結びついた使われ方をしていたのかもしれません。 この雑木林には、父と一緒に出かけて、肩車してもらって樹の高いところにいるクワガタを採ろうとしたり、学校が休みの日には朝早くから友達と出かけたり、前日に甘い蜜をつくって樹に塗りに行ったこともありました。

開発を免れても、笹や竹などの侵入により薮と化し、暗い森になって入り込めなくなっている雑木林が多いようです。雑木林が暮らしを成り立たせるためになくてはならない資源だった時代はとうに終わってしまいました。使いみちのない場所を再生(リジェネレーション)させるためには、今の時代にあった新しい使いみちが必要です。私は幼い時に見た大粒の幼虫たちで溢れかえっている雑木林をもう一度見てみたい,そしてその体験を現代の子どもたちにも、日常的に味わってほしいと願っています。

雑木林に限らず、里地里山という人が手を入れ続けなければ維持することができない環境には、役割を失って存続が危ぶまれている場所がたくさんあります。奥羽旅人ネイチャーセンターは、雑木林をはじめとする里地里山の自然環境を再生させるためのアクションに挑戦し続けます。

 

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Mission

(=社会に対してなすべきこと)
§

奥羽地方発の Sustainable Story で世界を変える

 

Vision

(=組織のなりたい姿)
§

地球・生物・社会が繁栄するように行動する

 

Credo

(=組織が持つべき姿勢)
§

1.飽くなき好奇心と面白がる力を糧に、
行動と思考の枠を広げよう

(視野を広くしよう)
2.”よそ者のプロ”になろう
(複数の地域の視点を手に入れよう)
3.家族との時間を楽しもう
(well-being !)

 

業内容

(=社会に対してやらなければならない活動)
§

・森里川海の美しかった風景をとりもどす